「桃太郎はサッパリとした生食にも適したタイプで、サラダには欠かせない品種。中玉のフルティカは皮が薄く、酸味が少ない分、あとから甘味が広がってくるので、おやつ感覚でパクパク生で食べられます。またミニトマトは酸味と甘味の両方がすごく引き立つタイプ。小さいながらに凝縮された味です」とそれぞれの品種の説明をしてくれたのは、代表の寺田真由美さん。とても美人さんで、パッと輝くような明るい笑顔が印象的です。寺田さんに、どのトマトが好きですか?とうかがったところ「それぞれ好きですが、やっぱり採れたてのトマトに勝るおいしさはないですね」という答えが。
「通常出荷されるものは、店頭に並ぶ頃に熟するよう、まだ青いままの状態で収穫しますが、うちで食べるのは、木で最後まで完熟させてから収穫します」
太陽のマルシェにも、そんな“農家だけの特権トマト”が並ぶとか。
う~ん、楽しみ!
続いて向かったのは収穫の現場。若干 27歳!の大前章さんをはじめ、スタッフはみんな若く、場は笑いと活気に満ちあふれています。「実は寒暖の差が強いほど、甘いトマトができるんです」と大前さん。「トマトは積算温度で赤みを増していくん ですけど、暑すぎると急に大きくなりすぎてしまうので、寒い時もあったほうが、ゆっくりと赤みを増しながら糖度が出るので、おいしくなるんです」。また2歳のお子さんを持つ大前さんは、トマトを親子関係になぞらえます。「トマトは体(木)を作りながら、実をつけていく植物。大きくてしっかりした親がたくさんの子どもを養えるように、トマトもしっかりした木には実がたくさんなる。だから夏の時期は、水をたくさんあげてまずは木を成長させます。でもあげすぎると今度は実(トマト)の方の味がぼやけてしまう。そのバランスが大切なんです」大前さんいわく、赤いトマトを採ることは、子どもが自立していくような感覚だといいます。
「そうして大きく赤くなって子どもが巣立っていくことで、ようやく親はラクになれるんです」
また寺田農園では、トマトを使った加工品も作っています。「規格外品といって、市場に流れないものをなんとか商品にしたいという思いがもともとの始まり。そこで自社加工工場を建てて、ジュースを作るようになりました」と寺田さん。試飲させていただいたところ、あまりのおいしさに、スタッフみんなの目がまんまるに!フルーツジュースのような、ほとばしる甘みが口の中で溺れます。「無添加で何も味を加 えず、食材の味だけで作っています」と聞いて、さらに目がまんまるに。素材の力を改めて実感しました。
最後に、農園としてめざすことをうかがいました。
「とにかくお子さまに食べて、笑顔になってもらえるようなトマトを作りたいですね。うちの5歳の男の子がいるんですが、一番正直に 感想を述べてくれるので勉強になります」と寺田さん。大前さんが続きます。
「ただ食べるトマトではなくて、子どもにどういった影響を与えられるか、常に意識しながら栽培を心がけています。だからうちは、農薬は一切使ってません。それは別に認証をとるためにやっているのではなく、子どもにいくら安全とはいえ、農薬のかかったトマトをそのまま食べさせたくない、という思いからなんです。自分の中でも安心 安全は当たり前、という考えで頑張っていきたいと思ってます」
寺田農園マルシェ出店の有 / 無は 下記スケジュールページより
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